安心・安全な使い方

AIに健康のことを聞いてもいい?
【知っておきたい線引き】

「最近、膝が痛い」「この薬、いつ飲めばいいんだったかしら」——こうしたことをAIに聞いてもいいのでしょうか。

結論から言います。聞いても構いません。ただし、AIは絶対にお医者さんの代わりにはなりません。

この線引きさえ守れば、AIは健康について心強い味方になります。当教室が講座でいちばん時間をかけてお伝えしているのが、この話です。

AIが得意なこと

1. 体のしくみを、やさしい言葉で教えてもらう

例文高血圧とは何か、中学生にもわかる言葉で説明してください」

病院でもらったパンフレットは字が小さく、言葉も難しいものです。AIは何度でも、もっとやさしく言い直してくれます。

2. 病院で聞きそびれたことを確かめる

診察室では緊張して、聞きたかったことを忘れがちです。家に帰ってから「あれ、どういう意味だったかしら」となったとき、AIに聞けばおおよその見当がつきます。

例文「お医者さんに『経過観察しましょう』と言われました。これはどういう意味ですか」

3. お医者さんへの質問を整理してもらう

これが実はいちばん役に立つ使い方です。

例文「来週、膝の痛みで整形外科に行きます。先生に聞いておくべきことを5つ、メモの形で作ってください」

短い診察時間を無駄にせずにすみます。印刷して持っていく方もいらっしゃいます。

4. 一般的な生活の工夫を知る

例文膝に負担をかけずに家でできる運動を、3つ教えてください。70代です」

ただし、始める前にお医者さんに「これをやっても大丈夫ですか」と確認してください。

AIに絶対にさせてはいけないこと

これは危険です ① 病名を決めさせる。「こういう症状です。何の病気ですか」——AIはあなたの体を診ていません。検査もしていません。それらしい答えを返しますが、それは診断ではありません。

② 受診するかどうかを決めさせる。「病院に行かなくても大丈夫ですか」と聞いて「様子を見ましょう」と言われても、それを理由に受診を遅らせないでください。

③ 薬の飲み方を決めさせる。飲み合わせ、量、やめるタイミング——これは薬剤師さんかお医者さんの領分です。

なぜそこまで気をつけるのか

AIには、まちがった内容を、いかにも正しそうな文章で答えてしまうという性質があります。「たぶん違うと思いますが」とは言ってくれません。堂々と、自信たっぷりに間違えます。

お天気の話やお料理の話なら、間違っていても笑い話ですみます。けれど健康の話では、それがそのまま体の害になります。だから健康だけは、AIを「調べもの係」にとどめて、「判断する人」にはしないのです。

個人情報は書き込まない

AIとの会話に、次のものは書かないでください。

「70代の女性」「膝が痛い」といった書き方で十分です。答えの質は変わりません。

まとめ:「調べる」はAI、「決める」は人

したいこと相手
言葉の意味を知りたいAI でOK
先生への質問を整理したいAI でOK
病名を知りたいお医者さん
受診するか迷っているお医者さん・#7119
薬のことで迷っている薬剤師さん・お医者さん

迷ったときの相談先も覚えておいてください。急な病気やけがで受診に迷ったら、東京都は「#7119」(救急相談センター)で看護師さんに相談できます。夜間・休日もつながります。

AIは便利です。だからこそ、頼りすぎない使い方を身につけておくことが、いちばんの安全策になります。

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