「最近、膝が痛い」「この薬、いつ飲めばいいんだったかしら」——こうしたことをAIに聞いてもいいのでしょうか。
結論から言います。聞いても構いません。ただし、AIは絶対にお医者さんの代わりにはなりません。
この線引きさえ守れば、AIは健康について心強い味方になります。当教室が講座でいちばん時間をかけてお伝えしているのが、この話です。
AIが得意なこと
1. 体のしくみを、やさしい言葉で教えてもらう
病院でもらったパンフレットは字が小さく、言葉も難しいものです。AIは何度でも、もっとやさしく言い直してくれます。
2. 病院で聞きそびれたことを確かめる
診察室では緊張して、聞きたかったことを忘れがちです。家に帰ってから「あれ、どういう意味だったかしら」となったとき、AIに聞けばおおよその見当がつきます。
3. お医者さんへの質問を整理してもらう
これが実はいちばん役に立つ使い方です。
短い診察時間を無駄にせずにすみます。印刷して持っていく方もいらっしゃいます。
4. 一般的な生活の工夫を知る
ただし、始める前にお医者さんに「これをやっても大丈夫ですか」と確認してください。
AIに絶対にさせてはいけないこと
② 受診するかどうかを決めさせる。「病院に行かなくても大丈夫ですか」と聞いて「様子を見ましょう」と言われても、それを理由に受診を遅らせないでください。
③ 薬の飲み方を決めさせる。飲み合わせ、量、やめるタイミング——これは薬剤師さんかお医者さんの領分です。
なぜそこまで気をつけるのか
AIには、まちがった内容を、いかにも正しそうな文章で答えてしまうという性質があります。「たぶん違うと思いますが」とは言ってくれません。堂々と、自信たっぷりに間違えます。
お天気の話やお料理の話なら、間違っていても笑い話ですみます。けれど健康の話では、それがそのまま体の害になります。だから健康だけは、AIを「調べもの係」にとどめて、「判断する人」にはしないのです。
個人情報は書き込まない
AIとの会話に、次のものは書かないでください。
- お名前・住所・生年月日
- 保険証の番号・マイナンバー
- かかっている病院の名前とあなたの識別につながる情報の組み合わせ
「70代の女性」「膝が痛い」といった書き方で十分です。答えの質は変わりません。
まとめ:「調べる」はAI、「決める」は人
| したいこと | 相手 |
|---|---|
| 言葉の意味を知りたい | AI でOK |
| 先生への質問を整理したい | AI でOK |
| 病名を知りたい | お医者さん |
| 受診するか迷っている | お医者さん・#7119 |
| 薬のことで迷っている | 薬剤師さん・お医者さん |
迷ったときの相談先も覚えておいてください。急な病気やけがで受診に迷ったら、東京都は「#7119」(救急相談センター)で看護師さんに相談できます。夜間・休日もつながります。
AIは便利です。だからこそ、頼りすぎない使い方を身につけておくことが、いちばんの安全策になります。
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